自然な家族写真を撮るためにプロが事前に準備していること
こどもたちが普段見せてくれるかわいい笑顔、遊びに夢中になっているいい表情を撮影したいのに、
「カメラを向けると変顔ばかり….」
「カメラを意識していない、自然でいい表情を撮影したい…」
・そもそも自然な写真ってどんな写真?
・プロはどんな手順で写真を撮っているの?
・プロはどんなことに気をつけて撮影しているの?
私は家族写真専門フォトグラファーとして独立して14年、自然な写真がお客様に喜ばれてこれまで1000組以上の家族撮影をしてきました。
そこでこの記事では、こどもの自然な家族写真を撮りたいママにプロカメラマンが撮影する時に気をつけていることについて説明します。
この記事を読めば「こどもの自然な表情を撮る具体的な方法」が分かります。コツを知り、今までと違った自然な写真もマスターしちゃいましょう!
目次
自然な写真とは?
自然な写真を撮る ≠ こどもをありのまま撮影する
自然な写真は何もしないで撮れるものではありません。自然な表情を見せてくれるようにカメラマンが必要な準備をして初めて撮れるものです。
自然な写真 | カメラマンがやること | |
目線 | カメラを見ていない | 話しかけ続け、カメラを見ていない時にも撮る |
表情 | 何かに夢中になっている | 遊ぶシチュエーションを作る |
ポーズ | 無理がない体勢 | 遊びながら自然に絵になる体勢を考える |
背景 | 遊び、ポーズの雰囲気が調和している | こどもたちが引き立つようにシンプルな背景を探す |
プロが自然な家族写真を撮る時の手順
この写真を撮るまでにカメラマンが考えたこと、カメラの操作など具体的方法はこちら。実際はこれらは1から順番ではなく、同時に考えていることも多いです。
- 1.撮りたい写真のイメージを固める
- 芝に寝転んでリラックスしている様子を撮ることに決める。
芝が伸びすぎていない、かつ、こどもたちが肘で自分の体を支えるこのポーズを取れる身体能力があることが前提。
肘で体を支えるこの動きが出来ないと下草で顔が隠れてしまう。
- 2.人物のポーズを決める
- 手前の芝を前ボケにしたいので、こどもたち、カメラマンともに地面レベルにポジションを取ることに。
- 3.背景にしたい場所を決める
- 芝の明るい緑を生かすため、背景に深い緑を選択。
- 4.光の方向を考える
- 反逆光を選び、こどもたちが眩しくない角度で撮影。
- 5.レンズを決める
- 70-200mmの望遠レンズを選択。望遠の圧縮効果で背景、前ボケを作る。
二つの大きなボカしでこどもに視線が集まる写真に。
- 6.顔が近くなるように動いてもらう
- ただ、並んでもらうだけではまとまりのない写真になってしまう。2人以上の場合は顔が近くなるように並んでもらうのがポイント。
ただし、移動するときに頭や顎をぶつけないよう注意。
- 7.露出を決定する
- カメラに露出をセット。今回はISO640, 1/1000, f6.3 に決定。
止まっているのでシャッタースピードを高速にする必要がないように思うかもしれないが、急に早く動いた場合もブレなく撮るためには必須。
- 8.撮影
- 連写で撮影。
常に声をかけ続けカメラから目線が外れ自然な表情が出た時を逃さず撮る。
もちろん、カメラ目線の写真も撮っておき、1つの場所で色々な写真を撮ることを習慣にする。
※ちなみに…限られた時間で様々な写真を撮ることで技術が磨かれる
- 9.ベストな絵が撮影できるまで微調整しながら撮影
- こどもが飽きないように必ず声をかけながら撮影。
※話ながら撮影するためには練習が必要だが、被写体にリラックスしてもらうために大切な技術の一つ
カメラマンが撮影中気にしていること
撮影中、ファインダーを覗きながら次に上げたことを確認しながら撮影を繰り返し、自然で素敵な写真を撮っています。
【カメラ関係】
- カメラの水平が保たれているか
- 露出が変わっていないか
- ピントが目的の場所に合っているか
- 絞り、シャッタースピードが適正か
【被写体関係】
- 目をつぶっていないか
- 顔の向きが横向きすぎないか
- 日向での撮影はこどもに暑さや疲れがないか
- 髪が画面の目立つ場所(目を隠しているなど…)にないか
- 背景に不要なものが入っていないか
- 前ボケで顔がかくれていないか
- 服の乱れが許容範囲内か
【被写体以外】
- 被写体周辺、自分の周辺にぶつかりそうなものはないか
- 通行の妨げになっていないか
- 場の雰囲気を壊していないか
まとめ
自然な写真を撮るためには事前準備が欠かせません。撮りたいイメージをしっかりと固め、こどもたちが自然な表情を見せてくれるためにカメラマンが準備することが大前提です。
イメージがないまま、ただかわいいなぁ、とむやみにシャッター切っても自然で素敵な写真は撮れません。
プロは具体的なイメージを持ちつつも、偶然起きることにも敏感に反応してもれなく撮る準備を常に整えています。
自分の予想以上の素敵な光景が目の前に現れることも多く、そんな時は写真の神様がくれた瞬間だと思って逃すことがないように大切に撮っています。
使用機材:Canon EOS 5D-MarkIV, EF70-200mm f/4l USM
マニュアル露出 ISO640, S=1/1000, F6.3
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