構図の基本と撮影方法
「なんか違う…、肉眼でみると素敵な景色なのに写真に上手く写らない…」
・いい構図ってどんな写真?
・構図の基本とは?
・プロが写真撮影の時にやっていることって?
私は家族写真専門フォトグラファーとして独立し15年、自然な写真がお客様に喜ばれてこれま2000組以上の家族撮影をしてきました。
そこでこの記事では、家族写真を撮りたい方に写真の構図について説明します。
この記事を読めば「写真の構図の基本と実際の撮影方法」が分かります。バランスよい構図の基本を知り、素敵な写真が撮影できるようになりましょう!
目次
写真の構図の基本
構図には基本形がある。まずは多くの人がバランス良く感じる法則を知り、真似してみよう。
三分割法
縦横を3分割し、このグリッドに被写体を配置するとバランスが良い。カメラにグリッドを表示させることができるものも多いので、慣れるまではグリッドを表示させて撮影するのも◎。
導線
視線が流れる方向を決めるとバランスが取りやすく、写真がまとまる。見せたい導線が定まっていないとどっちつかずの写真になることが多い。
重層表現
画面の前景、中景、遠景に要素を置き、一番目立たせたい被写体が引き立つように画面構成する。
ポジティブスペース、ネガティブスペース
メイン、サブの被写体を決めてメインで見せたい被写体をサブで引き立てる。画面構成する要素を整理することで、メインの被写体を引き立てることができる。
フレーミング
額縁が絵画を引き立てるように、メインの被写体をサブの被写体で囲み、本当に目立たせたい部分に視線を誘導する。
写真を撮る手順の基本
写真は撮る前にイメージを描くことが最重要。自分が伝えたいこと、表現したいことを撮影前にはっきりと思い描くことが大前提。伝えたいことを言葉に置き換えて、それを写真で表すにはどうしたらいいかを考える。
- 写真で伝えたいイメージ(言葉)を決める
- イメージに合ったレンズを選択
- 光の方向を決める
- 構図を決める
- 露出を決める
- 撮影する
- 再生する
- 再度撮影する
構図を決めるまでの実際の思考・撮影手順
まず、大前提としていきなり構図を考えない。
最初に写真で伝えたいイメージ(言葉)を考える、レンズ、光の方向を決める→構図を決める
この順序を守って撮影を繰り返すことで自分のイメージ通りの写真が撮れるようになってくる。
では、実際にプロカメラマンがどんな思考、手順で写真を撮っているか、実例を挙げてご紹介。
1.写真で伝えたいイメージ(言葉)を決める
- 東京タワーをバックに撮影したい
- 遊びながら元気な表情の写真を撮影したい
- 高い高いをして笑顔になったところを撮影
2.イメージに合ったレンズを選択
- 東京タワー、人物の両方を大きく写したい=望遠の圧縮効果を利用したい
- 70-200 f4を選択
3.光の方向を決める
- 東京タワー、人物、青空の3つの色が写せる順光気味を選択(撮影時間、場所を予め計算して決めている)
4.構図を決める
- パパが腕を上げた瞬間に東京タワーと親子が並行になるポジションで撮影
- 画面を軽く傾けて写真に動きを出す
- 余計なものが写らないように注意する(写っていないが足元に三角コーンがある)
5.露出を決める
- 動きがあるのでシャッタースピードは1/1000秒に設定
- 東京タワーを少しボカしたい、人物2人にはピントを合わせたいため、絞りはf4.5
- 絞り、シャッタースピードが決まったので、適正露出になるようISO感度を設定
6.撮影する
- こどもは急に気分が変わることがあるので、撮影チャンスは1回しかないと思って撮影
7.再生する
- 露出、構図、人物の表情確認
- 様子を見て何度か高い高いできそうならお願いする
8.再度撮影する
- 構図を変えてシャッターを切る
- 納得いくまで撮影、再生、再度撮影を繰り返す
- あらゆる角度から撮影してみるのも一つの方法
まとめ
いかがだったでしょうか?良い構図で撮るには、型を知ることも大事ですが、自分の気持ちを整理することが第一です。
例えば花見に行って美しい桜並木を前に「写真を撮りたい」となりますよね。
そのまま、シャッターを押すのではなく、自分は「何に感動して写真を撮りたいと思ったのか?」をまず考える。
写真は正直なので考えたこと、考えていないことがストレートに表現されます。
シャッターを押す前に一旦立ち止まって考えることを習慣にすると自分の感動、思いが写真に写せるようになります。
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