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卒園記念写真

・小学校の証書授与を初めて撮影するカメラマンの方へ
・証書授与の露出の決め方は?
・撮影の注意点は?

小室直子

私は家族写真専門フォトグラファーとして独立して17年東京を拠点に活動。
自然な写真お客様に喜ばれてこれまで2000組以上の家族撮影をしてきました。
私が初めて小学校の卒業式の撮影をしたのは15年以上前です。
どんな撮影も絶対に撮り逃しが許されませんが、特に証書授与は一人づつ、数秒で終わってしまうため、シビアさが要求される撮影です。
しかし、卒業式は日程が限られているので練習する機会に恵まれない方もいるかもしれません。そんなカメラマンの方へ何か一つでもお役に立てれば幸いです。自分の備忘録としても書いています。

証書授与とは?

小学校(中学校・幼稚園もおおよそ同じ)の卒業式において、
生徒が校長先生より卒業証書を一人づつ受け取る行事です。

証書授与撮影に必要な機材

撮影環境他に影響されるため、どれが正解ということはありません。
ここでは私の環境の場合をお伝えします。

【メインカメラ】三脚に据える
●70-200mm+クリップオンストロボ

【サブカメラ】にかけておく
●24-105mm+クリップオンストロボ

サブカメラはメインカメラにトラブルがあった時にすぐ撮影できるよう、肩にかけておきます

証書授与撮影の露出の決め方手順

卒業式の式典が始まる前に、テスト撮影をして露出を決めてカメラに登録しておくと安心です。

撮影場所を決める
・三脚にメインカメラを据える
・セルフタイマーを利用して自分で卒業生の場所に立ち、テスト撮影をする
シャッタースピード、絞り、ISO、ストロボ発光量をマニュアルで決める
・シャッター1/200(同調速度)
・絞りF5.6〜
・ISO3200〜
・ストロボ1/8〜
●シャッタースピードはストロボが同調する速度で決める
●絞りはf5.6程度でOK(絞るほどストロボの光が必要になるので注意)
●ISO3200以上(ISO感度が低いと背景が暗く落ちる)
●ISO感度が低いとストロボが不発だった場合、人物がシルエットになってしまうため、
万が一不発だった場合にも顔がわかる程度の感度に設定しておく
●ストロボは連続発光でもチャージ不足にならないよう、〜1/4程度の発光量におさえておく
色温度の調整
・4800K付近(その場の明かりで微調整する)
●ISO感度が上がるほど色被りが強くなるため、色温度をマニュアルで設定しておく
シャッターを静音モードにする
・静音モードに設定し、式典中目立たないよう配慮する
カメラのカスタムに登録
・シャッタースピード、絞り、ISOを決めたらカメラのカスタムに登録しておく(キヤノンの場合C1、C2、C3に登録可能)
●証書授与の撮影セッティングが終わったら教室でスナップを撮影するため、
証書授与の撮影時にすぐ決めた露出を呼び出すため
サブカメラにも同様の露出を登録
・メインカメラと同様にサブカメラにもカスタムに露出、色温度を登録しておく
セルフタイマーを切っておく
・テスト撮影で設定したセルフタイマーを必ず切っておく
●これを忘れて一人目を撮り逃したという話を聞いたことがあります…
三脚設置位置の床にテープで印をつけておく
証書授与の直前に三脚を出すため、テープで印をつけておく

証書授与のAF設定

証書授与ではいわゆる親指ピントで撮影する。
デフォルトである、シャッターボタンに合焦とシャッターを切る2つの要素がある状態で撮影すると、
合焦後、シャッターを切る際に背景にピントが抜けてしまい、失敗する可能性が高い。

合焦、シャッターを切るの2つの工程をそれぞれ別のボタンに割り当て、
親指ピントで生徒にピントを合わせたら、そのあとはシャッターボタンを押し込んでどんどん写真を撮っていく。
一度ピントを合わせたら基本的にピントが動かないように親指ピントボタンは触らないで撮影していく。

証書授与の撮影タイミング

・一人3、4枚撮影する
●顔を上げた瞬間に撮るのが基本ですが、顔を上げない、証書をもらったまま手を出している状態で横を向いてしまう生徒もいます。
ベストな瞬間を狙いつつも、取り逃がすことがないよう撮影タイミングを見極める必要があります。

1枚目

・生徒が校長先生の前に立ち顔を上げている瞬間

2枚目

・左手を出している瞬間

3枚目

・右手を出している瞬間

4枚目

・顔を上げた瞬間

撮影の注意点

補助の先生に事前に打ち合わせしておく

・校長先生に証書を1枚づつ渡す補助の先生が生徒、カメラの間にいらっしゃるため、
証書を校長先生に渡したら一歩後ろに下がってもらうようお願いしておく
・舞台袖から10人分づつくらい証書を運んでくる先生もいらっしゃるため、撮影のタイミングで前を横切らないようお願いしておく

まとめ

証書授与の撮影は一人数秒の限られた時間で、絶対に失敗の許されない特にプレッシャーのかかる撮影です。
式典の流れを止めることができないため、
一瞬の迷いや機材トラブルで写真が撮れなかったという事態になりかねません。

予備機材を瞬時に使えるよう常に肩にかけておくカメラにあらかじめ露出を登録することでスナップ撮影から、慌てず証書授与の撮影に移れるようにする。
不足の事態にも落ち着いて対処できる工夫を重ねておき、一生に一度の大切な瞬間を写真でお届けしたいですね。


小学校卒業式の撮影を初めてする方は小学校卒業式の撮影の概要についても読んでみてください

幼稚園の卒園式の流れ、上手に撮影する方法を知りたい方は
卒園式撮影のコツについても読んでみてください

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小室直子

出張撮影フォトグラファーの 小室直子(こむろなおこ)と申します。 家族写真専門フォトグラファー歴17年、2000組以上撮影|人見知りのお客様に自然な笑顔のお写真をお届けし大人気...

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